焦げ茶色に黒い縦シマ模様の「ブラウンマッカレルタビー」という毛色が猫の毛色の基本になっていると言われています。
つまり、基本となるのは濃い毛色で、そこに毛色を希釈する遺伝子(ダイリュート遺伝子)が作用することにより、ブラックはブルー(灰色)に、レッド(オレンジ)はクリームになります。

猫の毛色の勉強会に行った時に、「濃い毛色も薄い毛色も色素は同じだけど、均等に分布しているか偏って分布しているかによって濃く見えたり薄く見えたりする」と教わりました。

左の四角と右の四角は同じ大きさで、中の点の数も同じです。
左は点が均等に分布していて、右は点が偏って分布しています。
これを遠くから見ると、右のほうが薄く見えるということです。

ダイリュート遺伝子の遺伝の法則をまとめたのが、次の表です。

親猫の両方または片方が濃い毛色の猫だった場合は、濃い毛色の猫も生まれるし、薄い毛色の猫も生まれます。
両親ともに薄い毛色の猫だった場合は、薄い毛色の猫しか生まれません。

左側の子は「シルバータビー」という毛色、右の子は「ブルーシルバータビー」という毛色です。
「ブルーシルバータビー」でも個体によって濃いめの子や薄めの子がいますが、この写真の右側の子は濃い目にシマ模様が出ています。
並べてみると、右側の子はシマ模様の色がちょっと薄いことがわかります。
それと、鼻と肉球の色を見比べてみてください。ここも色が違います。「シルバータビー」は鼻と肉球の色は黒っぽくて、「ブルーシルバータビー」は鼻と肉球の色はピンクっぽいです。

このように、毛色の遺伝子と言っていますが、毛色以外の部分の色素にも影響があるのです。