混合ワクチンとは

混合ワクチンとは、何種類かの病気に対するワクチンが混ざった注射です。予防できる病気の数によって「3種混合ワクチン」や「4種混合ワクチン」などと呼ばれます。

完全室内飼育の猫ちゃんであれば、3種混合ワクチンを接種する場合が多いと思います。3種混合ワクチンは、猫汎白血球減少症、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症を予防できる混合ワクチンで、この3つはコアワクチンと呼ばれ、全ての子に接種がすすめられています。

予防できる病気

3種混合ワクチンでは次の1から3、4種混合ワクチンでは1から4、5種混合ワクチンでは1から5、7種混合ワクチンでは1から7の病気を予防できます。

1,猫汎白血球減少症ウイルス感染症(猫パルボウイルス感染症)

猫ジステンパーとも呼ばれ、重度の腸炎を起こす致死率が高い病気です。

2,猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)

くしゃみ、鼻水、発熱、目ヤニが見られる、猫風邪の一種です。

3,猫カリシウイルス感染症(FC-7)

初期段階では目ヤニ、よだれ、涙、くしゃみなどが見られる、猫風邪の一種です。

4,猫白血病ウイルス感染症(FeLV)

貧血、下痢、発熱、口内炎、リンパ節の腫れなどがみられる、致死率の非常に高い病気です。

5,猫クラミジア感染症

くしゃみ、鼻水、咳、目ヤニ、涙などが見られる、猫風邪の一種です。

6,猫カリシウイルス感染症(FC-28)

7,猫カリシウイルス感染症(FC-64)

ワクチンを接種する時期

子猫は、お母さんの母乳に含まれる抗体によって、様々な病気から守られています。
しかし、この抗体は成長とともに少しずつ減っていき、生後3か月頃までにはなくなってしまうと言われています。
お母さんの抗体がなくなるタイミングでワクチンを接種することで、猫ちゃんに新たな免疫をつけてあげる必要があります。

しかし、抗体がなくなるタイミングには個体差があります。さらに、体の中にお母さんの抗体が残っていると、ワクチンを接種してもうまく抗体がつくられません。
そのため、最初のワクチンはタイミングをずらして複数回打ってあげることで、全ての子が確実に抗体をつくれるようにします。子猫には、6~8週齢で1回目の接種をし、その後は約4週ごとに、計2~3回の接種をするというプログラムが推奨されています。

その後は1年に1回の接種が多くの動物病院で行われています。もっと間隔を開けても構わないという意見もありますが、免疫応答を喚起させ身体の抵抗力を高めるという意味で、1年ごとの接種は有意義だと言えます。

副作用について

一般的なワクチンの副作用としては、元気や食欲がなくなったり、軽い発熱や嘔吐がみられることがあります。
また、稀ではありますが、ワクチンによってアレルギーを起こしてしまう子がいます。
ワクチンを打った後はしっかり様子を観察して、少なくとも2~3日は安静にしましょう。

最後に

ワクチンを受けても病気の感染を100%予防できるわけではありませんが、受けておいた方が発症を抑えられたり、発症しても軽症で済むというメリットがあります。

また、完全室内飼いの猫でも、飼い主や家族が家の外からウイルスを持ち込んでしまうこともあります。

猫ちゃんと健やかに暮らしていくために、定期的なワクチン接種を行いましょう。