概要

ピルビン酸キナーゼという酵素が足りなくなり、赤血球が破壊されて貧血が起こる病気で、遺伝性の疾患です。猫のピルビン酸キナーゼ欠乏症は、生後2〜3ヵ月齢以降に慢性的な貧血が現れることが多いようです。しかし、猫は長期間に渡って貧血を繰り返すと、それに順応してしまうので、目立った症状が表面化しない場合があります。

症状

症状は軽度のもの、断続的なもの、重度のもの、若い頃(6ヶ月齢)から発症するもの、成猫(5歳頃)になって初めて発症するものなど個体によってさまざまです。

口の粘膜や舌の色が薄く白っぽくなる(貧血)、食欲低下、疲れやすく運動を嫌がる、呼吸や脈が速い、赤茶色の尿(ヘモグロビン尿)をするといった症状がでます。

主にかかりやすい猫種

・アビシニアン

・エジプシャンマウ

・サイベリアン

・シンガプーラ

・ソマリ

・ノルウェージャンフォレストキャット

・ベンガル

・メインクーンキャット

・ラパーマ

予防

遺伝性の疾患なので、残念ながら予防法はありません。

遺伝子検査によって発症する可能性が高い猫かどうか確認することができるので、繁殖の計画がある猫は遺伝子検査を受け、遺伝子異常が確認された場合は繁殖に使用しないことで今後の発生率を下げることができます。

※変異遺伝子を1本しか保有していない「キャリア」の場合でも、軽度の貧血症状が出る場合があります。

治療法

遺伝性疾患のため決定的な治療法はありませんが、貧血が軽度の場合は、安静にするといった運動の制限をすることで、猫ちゃんの生活の質を十分に保つことが可能です。

貧血が重度の場合も安静にすることが大切ですが、赤血球を処理する臓器である脾臓を摘出し、異常な赤血球の減少を抑えることで、貧血の改善を促す場合があります。

うちにいるラパーマのパーマン君は、遺伝子検査により発症素因を持っていないことが確認されています。

これからアビシニアン・シンガプーラ・ベンガル等の好発品種とされている猫を飼おうと思っている方は、親猫の遺伝子検査結果を明記しているところから猫ちゃんをお迎えすることをオススメします。