概要
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染し、消化器症状、神経症状、出血症状などが起きます。
犬や猫だけではなく人も発症する人獣共通感染症で、国内では西日本を中心にSFTS患者が報告されており、SFTSウイルスを保有しているマダニは北海道・東日本を含む全国各地で確認されています。
症状
主な症状は、発熱、消化器症状(吐き気、嘔吐、腹痛、下痢など)、神経症状(頭痛、筋肉痛、意識障害など)、リンパ節腫脹、皮下出血などで、人が感染した場合は発熱や嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状が多く認められます。
猫は人よりも重症で,犬は人よりも軽症であると言われています。
なお、厚生労働省によると、人の場合は6〜14日の潜伏期があるようです。
主にかかりやすい猫種
ウイルスによる感染症のため、猫種に関係ありません。
完全室内飼養の猫よりも、屋外に行くことのある猫の方が感染するリスクは高くなります。
予防
森や茂み、河川敷などに行くことで人やペットにマダニが付着する可能性があるので、犬や猫の場合はペット用のダニ駆除剤等で予防を行ったり、体表チェックを行うことで感染リスクを減らすことができます。
人の場合は、草の茂ったマダニの生息する場所に入る場合には、長袖や長ズボンを着用し、サンダルのような肌を露出するようなものは履かないことでマダニに咬まれないようにします。
治療法
現時点で有効な治療法やワクチンはなく、症状に応じた対症療法が行われます。
毎年60~100名程度の患者が報告されており、致死率は10-30%と言われている恐ろしい感染症です。
西日本を中心に発生していますが、徐々に患者発生が確認された地域が広がっています。どこに住んでいるかに関係なく、SFTSに対する注意が必要だと考えます。
厚生労働省と国立感染症研究所の関連ページリンクを貼りますので、下記よりご確認ください。
● 厚生労働省
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169522.html
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html
● 国立感染症研究所
重症熱性血小板減少症候群